• 空き家問題の早期セルフマネジメント

解決策

将来に向けてできること

1人で考えてみる

まず、住宅(実家)を今後どうするのか、自分はどうしたいのか、将来の方向性について自分の考えを整理しておきましょう。
「そもそもどんな選択肢があるか分からない」という方はこちらも参考にしてください。

家族や親族などと話し合う

ある程度方向性が整理できたら、次に住宅の所有者(ご両親など)、兄弟など、関係する方々で住宅の将来について話し合ってみましょう。
まずは所有者であるご両親がどう思っているのか、意思を確認することが大切です。

話し合う際のポイント

住宅をどうするかといった話題は、家族の中でもナイーブでなかなか切り出しにくいものです。
このHPの記事や、LINEツール「空き家占い」を使って、さりげなく話を振ってみましょう。新聞や雑誌、テレビなどで空き家の話題を目にしたタイミングでも構いません。
また、いきなり結論を出す必要はありません。「今のところどう思っているの?」といった話題から始め、時間をかけてよく話し合い、本音を聞き出すことが重要です。

話し合うことでどんなメリットがあるの?

■悩む時間がなくなります!
 ご両親の意思を確認し、事前に家族で共有しておくことで、兄弟間で揉めることもなく、建物が劣化する前に、次の行動に移ることができます。所有者を調べたり、家財を片づけたりする時間や手間も大幅に削減可能です。

■無駄な出費を抑えます!
 どういう形で売却したり、活用するのが理想か事前に比較検討することで、いざという時に迅速に対応できます。満足いく価格で売却できたり、維持管理においての無駄な費用も掛からず、損をしません。

■自分も家族もみんな安心!
 ご実家の方針を明確化し、不安を解消することで、自分だけでなく、ご両親、兄弟、まわりの家族もみんなが安心して過ごせます。ご近所から白い目で見られることもありません。

何もしないとどうなる?実例紹介

■ケース1:年間20万円の出費が…
両親の死後、葬式や手続きなどでバタバタし、家のことは後回し。落ち着いた後も、本当は売却したいが自分の判断で家を勝手に処分していいのか…?キリの良いタイミングは?なかなか踏ん切りがつかずそのまま放置し、気が付けば10年間無駄に維持管理費を年間20万円ほど払い続けていました。両親の生前に意思を確認していれば…

■ケース2:兄弟間でトラブルに…
私は2人兄弟の弟ですが、両親の死後、「長男だから」という理由で長男が遺産を全て自分で独り占めしてしまいそうになりました。トラブルになり弁護士に依頼することに。費用や時間もかかりました。両親が遺言書を作成していればこんなことには…

■ケース3:片付けが終わらない…
実家を売却しようと空き家バンクに出していたところ、買い手が見つかりました。すぐに入居したいとのことでしたが家の中にはまだ家具や荷物が残っている状態。早急に片付けを進めるものの、写真など思い出の品を勝手に処分していいのか?仏壇は?家具は?人形は?なかなか進まないうえ、片付けのために実家に何度も通うのにも一苦労しました。

次のステップへ

方向性が決まったら、次にできる簡単なことから始めてみましょう。

■法務局やWEBから登記を確認
 所有者が先代のままになっている場合、相続や売却との手続きもできません。

■エンディングノートや遺言書の作成
 相続することが決まれば、住宅の所有者は引き継ぎに向けて早めの準備を進めましょう。

■資産価値のチェック
 売却や賃貸をお考えの方は、WEBや不動産会社などから自宅の現在の価値や周辺地域の地価の相場などを確認しましょう。
  • この記事の筆者

    中電技術コンサルタント株式会社

    織田 恭平

    技術⼠(建設部門)

    普段は、建設コンサルタントとして自治体の空き家対策を支援している。空き家以外にも、都市計画・まちづくりに係る各種プランニングや、地⽅創⽣関連事業の企画・運営等に従事。 趣味はサイクリング。

    この記事は2022年12月27日に作成したものです。

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